3月13日、都議会予算特別委員会の質疑に立ちました。障がい者をはじめ、幅広い人たちが創作に取り組む「アール・ブリュット」という芸術を取り上げ、写真パネルを10枚ほど使いながら、舛添都知事に積極的な支援を訴えました。
アール・ブリュットは加工されていない「生(き)の芸術」という意味です。専門的な美術教育を受けたことのない人々が、既成の価値観にとらわれることなく、湧きあがる内面をそのまま表現する芸術です。
この芸術の発祥の地・ヨーロッパでは、障がい者のほか、社会的な生活困窮者、精神の病を持つ人など、さまざまな人が作品をつくり、いろいろな美術館で作品が保管・展示されています。
この発祥の地で、実は日本人作家の作品が大きな注目を集めています。この状況について、今回、写真パネルを使って紹介し、質問したのです。
2010年にパリで開催された日本作品展では10カ月で12万人が鑑賞に訪れました。その後、オランダ、イギリスと日本作品のヨーロッパ巡回展が行われ、昨年のロンドンでの展覧会では3カ月で10万人もの人が訪れました。
日本国内では、滋賀県がこの芸術の振興に取り組んでいて、近江八幡市にある「NO-MA」という美術館が有名です。東京では「愛成会」という社会福祉法人がヨーロッパ巡回展の事務局となるなど、頑張っています。
知事答弁の要旨は以下の通りです。
「高倉委員が非常に素晴らしい芸術、特にアール・ブリュットについて質問して下さったことを大変感謝いたします。私が40年前、パリに行ったときに、一番好きだった画家のひとりがジャン・デュビュッフェです。この人が提唱したのが、このアール・ブリュットです。高倉委員が質問するというので、久しぶりにジャン・デュビュッフェの本を読み直し、再認識させられました。
私は芸術文化で世界一の都市を目指したい。こういう方々の芸術は非常に価値がありますので、ぜひ2020年に世界中の素晴らしいアール・ブリュットを集める展覧会を、例えば東京都美術館でやりたいと思っています。
私はスイスにいましたが、ローザンヌにはジャン・デュビュッフェが集めたアール・ブリュットの美術館がありますので、そことも連携しながら、アール・ブリュットをさらに東京で進めたいと思います。」