2012年6月28日木曜日

日本のエネルギーのあり方を変える塗料「ガイナ」の力を見てきました


節電が大きな課題になっているなか、断熱・遮熱などに大きな効果のある塗料「ガイナ」を開発した企業「株式会社日進産業」(東京都板橋区)に行ってきました。

日進産業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したH-Ⅱロケット先端部に塗る断熱技術の民間転用先企業にも選ばれ、「ガイナ」にはその宇宙技術も生かされています。

建物の外側、あるいは内側に塗るだけで、大きな断熱・遮熱効果があるほか、結露対策にも力を発揮します。それを小さな実験装置で見せていただきました。

「ガイナ」を塗った鉄板と塗らない鉄板にそれぞれ熱光源を当てる実験では、塗った方は手を乗せてもぼうっと温かいだけ。もちろん、塗らないほうは熱くて手を乗せられません。

「ガイナ」を屋根に塗ったものと塗らないもの2つの小さな家の模型に、上から熱光源を当てて室内温度を図ると、「ガイナ」を塗ったほうが10度以上低くなっていました。

夏は太陽など外の熱を遮断し、冬は室内の暖かさを逃さない。「ガイナ」を塗った建物では電気料金を大幅に軽減することができるようです。ある自治体では「ガイナ」を塗ったあと、電気代が20~30%下がったそうです。

振動を吸収することから防音効果もあり、さらに「ガイナ」は静電気を帯びないため、汚れがつきにくくなります。マンションの部屋の天井に塗っただけで、揮発性化合物や浮遊粒子が少なくなったデータも見せてもらいました。

「ガイナ」は実際に、建物の屋根・外壁・内装のほか、大きな倉庫の屋根、輸出車両を運ぶ大型船の甲板、関空シャトルの列車の屋根…など、広く使われています。

災害時の避難場所や、仮設住宅などに使っても効果があるのではないかと思います。熱中症対策にも有効ではないでしょうか。

塗料ひとつでこれほど効果があるのかと驚きました。東京の中小企業の素晴らしい技術です。日本のエネルギーのあり方を大きく変える可能性を秘めている技術だと思います。

日進産業の取り組みは、6月17日のTBS番組「夢の扉+」でも紹介されていました。