毎年のように大きな水害が発生していることを踏まえ、都議会公明党は2月9日、安藤立美・東京都副知事に会い、「大規模水害から人の命と首都・東京を守る緊急提言」を提出しました。提言では「複数の基礎自治体、東京周辺の隣接県との広域的な連携を強化していく必要性を強調。6つの柱からなる最重要対策の早急な実施を求めました。
6つの最重要対策は、①流域ごとに広域的なタイムライン作成と訓練の実施②分かりやすいハザードマップの作成③適切な避難勧告・指示発令のための体制構築④仮称「耐水化建築診断」の制度創設⑤地下鉄や地下街の避難態勢と浸水対策の強化⑥排水ポンプなど排水施設の水防対策の強化――です。
避難勧告・指示発令のための態勢構築については、災害に関する情報をより多く持っているのは現場の自治体ではなく、国土交通省・気象庁であることから、その情報を受け区市町村長の避難勧告・指示発令を補佐する気象予報士を自治体に配置し、国・都・区市町村・関係機関が連携して速やかに行動できる機能強化を求めています。
「耐水化建築診断」の制度創設については、木造家屋が1階天井まで水に浸かると浮力により流出の可能性が高くなると指摘し、木造家屋の浮力を考慮した建築基準法の改正が必要と強調。さらに、木造家屋の水没・流出の危険性があるエリアでは耐水対策を推進していくため、「耐水化建築診断」や「耐水化建築ガイドライン」の策定を提案しました。
約300万人が生活している東京の東部低地帯はほとんどの地盤が海面下であり、洪水や高潮に極めて弱い地域になっています。この地域には地下鉄9路線、大規模地下街4か所があり、水害に対する万全の備えが急がれます。また、神田川や石神井川などが流れる区部、多摩の中小河川流域では、ゲリラ豪雨による床上・床下浸水が頻発しており、着実な河川対策が強く望まれています。