大型トラックの荷台扉が左右に大きく跳ね上がると、荷台に設置された水槽が姿を表します。水槽には、ヒトデ、ウニなどのほか、小さなサメの一種や、イセエビなどが。直接、水の中に手を入れて触ることができ、子どもたちは歓声をあげながら大喜びでした。初日だけで3300人が訪れ、福島の関係者も「これほどの人数は初めて」と驚いていました。
移動水族館車のそばには、「アクアマリンふくしま」を紹介したパネルが設置されたほか、福島県の特産物を直売するブースが並び、来園者の人気を博していました。
「アクアマリンふくしま」は昨年の東日本大震災で津波の被害を受け、飼育生物の9割が死んでしまいました。生き残ったトドやアザラシ、小型生物が、全国7か所の水族館や動物園に一時引き取られました。関係者の懸命な復旧によって、昨年7月に「アクアマリンふくしま」は再オープンし、各地に避難していた飼育動物たちも「ふるさと」へ帰りました。
高倉良生は東日本大震災の発災いらい、繰り返し被災地を訪ね、復旧・復興に向けた要望を聞いてまいりました。今年2月に改めて福島を訪問した際、「アクアマリンふくしま」の橋本幸洋・副館長から「東京から以前のようにたくさんの見学者に来てほしい」との要望を受けていました。
そして今年6月13日の都議会本会議で、被災地支援の一環として「アクアマリンふくしま」への継続した応援を強く求めていました。これに対し、都からは「アクアマリンふくしま」を都民に積極的にPRする取り組みとともに、移動水族館の東京での展示が明らかにされていました。