東京都は国内外の観光客誘致を進めるため、東京港内に新たな大型クルーズ客船ターミナルを整備する方針を明らかにしました。9月25日の都議会公明党の代表質問に対し、都が答弁したものです。
東京港内には、クルーズ客船の停泊地として晴海客船ターミナルがあります。しかし、最近は客船が大型化する中で、海面からの高さが52メートルのレインボーブリッジを客船がくぐれないために晴海客船ターミナルが使えず、寄港の機会を逃がしてしまうことが課題になっていました。
今年4月と9月には、アジア最大の大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」(13万8千トン)が東京港に寄港しましたが、暫定的に使用した岸壁はレインボーブリッジ外側にある大井水産物ふ頭。ここは都心への交通が不便な上、土日しか利用できず、出入国管理や税関事務も臨時のスペースで行わざるを得ない状況でした。
都議会公明党はかねてより、国内外からの大型クルーズ客船の東京港寄港が増える対策を訴えてきましたが、9月25日の都議会代表質問で改めて専用の大型客船ターミナルの早期整備を求めました。これに対し都は、交通の利便性も高い臨海副都心に整備する考えを示しました。「船の科学館」の近くに、2020年東京オリンピック・パラリンピックの前年に完成させる方針です。
高倉良生は9月14日に「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が寄港した際、船内を見学するとともに、大井水産物ふ頭の状況や出入国管理事務の様子などを視察し、専用の大型客船ターミナルの必要性について都港湾局と意見交換しました【写真】。
数千人が乗船する大型クルーズ客船は、1回の寄港で数億円の経済効果があるといわれています。専用ターミナルの整備によって寄港の機会が増加すれば、東京の観光振興に弾みがつくものと期待されています。